詰碁は、「目で解く」ものとか「頭の中で解く」もの、とよく言われます。ヨミの訓練のためには、これが大変重要だからです。
しかし、必ずしも最初からそれに従う必要はありません。特に囲碁を始めて間もないころであれば、むしろ積極的に碁盤と碁石を使って、並べながら問題を解くのもよい練習だと思います。
頭の中で詰碁の問題を解くには、頭の中に碁盤と碁石とを思い浮かべ、その碁盤上に自由にご石を並べ、かつその並べた状態を維持できるようにならなければなりません。しかし、碁盤と碁石を何度も使って対局や検討を繰り返し行わないと、なかなかこのような状態にもならず、始めのころは難しいでしょう。
ですから、初歩的な詰碁の問題について、実際に碁盤上に碁石を使って繰り返し並べて訓練するのがよいのです。
また、基本的な死活を問う詰碁問題は、変化図を含めて、相手が打ってくるすべてのパターンを覚えてしまう必要があります。これは、対局をするときはもちろんですが、更に難しい詰碁の問題に取り組む場合でも必要になってきます。プロだって、どんな局面もすべて最初からヨンでいるわけではなく、基本死活についてはすべて頭に入っているわけです。これを頭の中に入れるために、自分の手で碁盤に碁石を繰り返し並べるのがよいのです。
手を動かして、碁石を並べていく過程を目で眺めていれば、記憶の定着につながります。基本死活をなかなか覚えられないとお悩みの方は試してみてください。
碁盤と碁石についてはまた別の機会に書きますが、最初は入門用のもので十分です。最近ではインターネットでも購入できますし、まずは詰碁の問題を楽しみたいという方であれば、厚紙などで自作したものでもよいでしょう。