詰碁の楽しみ方は人それぞれです。
ちょっとした空き時間に頭の体操として楽しむ、自分の棋力アップのために本格的に取り組む、詰碁そのものを研究する、自分でオリジナル問題を創作するために勉強する、などがあるでしょう。
人によって目的が違うので、その目的を達成するための取り組み方もまたいろいろあると思いますが、囲碁をこれからはじめて、親しんでいこうと思われる方々は、詰碁の問題にどのように取り組むのがよいでしょうか?
目で解く
囲碁をこれからはじめて、親しんでいこうと思われるならば、まずは「目で解く」ことができることを目指しましょう。
詰碁は第一手目だけを示して正解か不正解かを判定するという単純なものではありません。何手かかるかは問題によりますが、自分が示した一手に対して相手の応手をすべて考えつくし、その考えつくした手に対して自分の次の手(第三手目)をさらに考える、ということをくり返します。そして、最終的に相手石を死に石にできるか、自分の石を活き石にできるか、あるいはコウにするかという結末を導き出すのです。
これをすべて「目で解く」あるいは正確には頭の中で解くのです。
これは、慣れてくればアマチュアでもある程度はできるようになっていきますし、対局をする方ならば、この詰碁を解く力が棋力に直結してきます。棋力向上には欠かせないトレーニングなのです。
ところで、「目で解く」とはどういう状態になっているのでしょうか。これは、碁盤のイメージが頭の中にあって、いつでも思い浮かべられる状態にあり、その碁盤の上に、黒白の碁石(のイメージ)を自由に置くことができる。かつ、置いた碁石の配置を一定時間覚えていることができる状態です。
この碁盤と碁石を頭の中でイメージする力、その碁盤上で碁石を自由に打つことができる力、そして石の配置を一定時間覚えておく力の3つの力を養っていく必要があります。
並べて解く
しかし、そもそもはじめて碁盤や碁石に触れる方々に、いきなりこの力を求めるのは難しいと思います。
ですので、最初は碁盤と碁石を用意して、簡単な問題を並べながら解くことをお勧めします。
市販の詰碁の本は、目で解くことの重要性を説かれていることが多いと思いますが、それはたくさん対局して、碁石や碁盤に触れ(あるいは最近はネット碁に触れる方も多いですが)、碁石の並びを目にする機会、碁石を動かす機会がたくさんあることが前提になっていると思います。
それがないうちは、遠慮せず、どんどん碁盤に碁石を並べて問題を解きましょう。
基本問題は繰り返し解いて、それこそ解答を覚えてしまうくらい繰り返し解きましょう。それを行なっているうちに、詰碁の本の問題を見たらその配置が頭の中に入り、本を閉じても頭の中でその問題を考えることができるようになります。
そうなれば、まずは目標達成です。このあとは、手数のかかる問題に少しずつ進みましょう。今度は「目で解く」が実践できるようになると思います。