詰碁の基本問題(3) :隅の六目型

隅の六目型

隅に六目の空点をもつ石のひとまとまりについて、覚えておかなければならない形があります。詰碁の問題集にもよくでてくる形です。いろいろな派生形の問題がありますが、ここでは最も基本的な3つの形を簡単にご紹介します。

第1型


図1

図1の問題。黒番とします。黒から白石をとることができるでしょうか?

これは、白石をとることができます。実はこの問題、黒から打たなくても白石をとることができています。つまり、白石はこの時点で死に石なのです。

いくつかやってみましょう。


図2

図2で、白1と守ったとしましょう。黒はこの時点で黒2と打てばよいのです。


図3

白3と遮れば、黒4とハネます。このあと、白がAと打てば黒Bと打てばよいですし、白がBと打てば黒Aと打ちます。どちらも白は2眼をつくることができません。


図4

図2のかわりに、図4の白1はどうでしょうか?

これには黒2とハネます。


図5

続いて、黒5の白3に受けると黒4ですし、白3の代わりに黒4の位置に受けると、黒は五目中手を打ちますので、やはり白石は死に石になります。


図6

図6の白1に受けても黒2以下黒6までで、この形は白石が死に石です。白石のひとまとまりの外ダメがすべて詰まると、アタリになりますね。

このように黒から打たなくても、もともと白石のひとまとまりは死に石でした。実戦では、もちろん白からも打ちません。(ただし、コウ材に利用することはありえます。)

第2型


図7

図7は、第1型に比べて、丸印の白石がひとつ増えました。さてこの形、黒からどのように攻めるのでしょうか?


図8

図8の黒1と、ここにハネます。実はこの問題は、この記事の第1型の応用になっています。この黒1により、第1型と本質的に同じ問題になるのです。第1型は図1のままで白石が死に石でした。それは白から打っても活き石にすることができないということでした。図8は次に白の番ですから、まさにそのような状態ですね。つまり、黒が1とハネれば、このあと白がどう受けても白は活きられません。


図9

例えば、図6と同様に、図9の白1と受けても、図6と同じような進行になり、白石のひとまとまりは死に石となります。


図10

白から打って白が活きるためには、例えば図10の白1と打ちます。以下、手順の一例を図10に示しましたが、白1と打てば二眼作ることができます。

第3型


図11

第2型から、さらに丸印の白石が加わりました。この11図、黒から攻めるとしたらどのように打つのでしょうか?

この問題、実はこの白石は活き石です。このサイトでは事実上の活き石と書いてきましたが、白が手抜きをしない前提で活き石です。試しに黒から攻めてみましょう。


図12

この受け方が確実とされています。他にも受け方が考えられますが、周りのキキがないということで詰碁の問題集ではこの受け方で説明されていると思います。


図13

続いて、図13の黒3には白4と受ければ、このあと黒がどう打っても二眼を確保できます。


図14

図14の黒1と打ってきても、図14の白2以下の受け方で、AとBとが見合いになります。つまり、この後、黒がAと打てば白Bと打てばいいですし、黒がBと打てば白Aと打てばいいのです。やはり二眼確保成功です。

このように、黒がどう打っても白が適切に受ければ活き石になりますので、図11の状態で白は事実上の活き石ということになります。白からはここには打ちませんし、黒からはコウ材として利用することになります。

基本詰碁を形の類型で覚える

基本的な詰碁の問題は、攻めや受けの手順を覚えておかなければなりませんが、本記事で取りあげた3つの型のように、形の類似性からまとめて覚えるのがよいものがあります。入門者向けに丁寧に解説されている詰碁問題集ではそのような配慮で編集されているものもあるかと思います。類型をまとめて覚えて攻める手筋や受ける手筋を習得し、未知の問題に対する手がかりとする、というのは詰碁問題の大事な取り組み方の一つです。

さあ、みなさんもたくさんの詰碁問題に取り組んでみましょう。

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