詰碁って何?
詰碁とは何でしょうか?
少し話がそれますが、将棋には詰将棋があります。
将棋では、ご存知の通り、二人の対局者が交互に駒を動かし、相手の王将を先に取ったほうが勝ちとなります。
もし対局で詰将棋の形ができたとき、攻める方が間違わずに指し進めて相手の王将を詰めればそこで対局終了です。したがって、詰将棋の問題は「終盤に相手の王将を詰める手順の問題」といえると思います。
では本題。詰碁も同じように、終盤に相手の石を詰める(?)手順の問題なのでしょうか?
答えはNoです。理由は
- 必ずしも終盤のみに現れるとは限らない。
- 石を取ったからと言って必ずしもその時点で勝敗が決まるとは限らない。
- 相手石を取れる形になっても、囲っている自分の石が先に取られることもある。
などがあげられます。というのも、囲碁はそもそも、最終的に獲得した地の大きさを競うものだからです。取った石の数を競うのではないのです。
詰碁あるいは詰碁の問題とは、一方の石で囲んだ他方の石の死活を問う問題のことです。囲碁で打った石の形には、活き石の形と死に石の形とがあるのですが、そのどちらになるのかを見極めることと言ってよいでしょう。
また囲碁にはコウという形があります。詰碁にもでてきますが、コウになった場合、コウに勝てば活き石、負ければ死に石になるというケースもあります。
詰碁の問題は対局中のどの時点で現れるの?
では、詰碁の問題が対局中に現れるのはどの時点でしょうか?
これは、相手の石を自分の石で”囲んだ”時、あるいは自分の石が相手の石に”囲まれた”時です。
ですので、第一手目から詰碁の問題になることはありませんが、序盤から盤上のある場所に両対局者が集中して打つと、序盤でも詰碁の問題ができることはありえます。
反対に、詰碁の問題がまったく現れない対局もあります。プロ同士の対局では、詰碁の問題が現れることが少ないでしょう。自分の石がどういう形になると危険かを十分知っているからです。
囲むというのはどういうこと?
石を”囲む”ということについて、説明しておきます。
石を囲むというのは、およそ言葉の通りです。図1を見てください。
図1
いずれも黒石が白石を囲んでいます。碁盤の中央付近にあるものは、まさに囲むという言葉そのものですね。他は隅で白石を囲んだ例です。辺で囲んでも構いません。
いずれも、黒石に囲まれた白石の形が詰碁の問題になっています。
また詰碁の話からそれますが、どの図も、黒石が囲んだ白石を取れる形にすれば、黒石で囲んだ部分が黒地になります。いわば黒番(=黒石を持つ人)の得点です。取った白石も黒番の地として加算します。
でも、ちょっと待ってください。白石を囲んだはずの黒石が、また白石に囲まれてしまったら、いったいどうなるのでしょうか?
この疑問に答えるには、石の死活、特に活き石について知る必要があります。そして、地とは何か、どこが地になり、自分の得点になるのか。このあたりの話を順に説明していきます。
ポイント
- 詰碁の問題は、盤上で部分的に一方の石が相手石を囲んだときの相手石の死活を問う問題である。
- 盤上にできた詰碁の問題で石を取ったからと言って必ずしもその時点で勝敗が決まるとは限らない。
- 囲碁では、最終的に獲得した地の大きさを競う。取った石の数を競うのではない。